1974年 ジョン・ブアマン監督 『未来惑星ザルドス』
核戦争によって荒廃した未来社会。 人類は一部のエリート=ボルテックスによって支配され、文化水準は大きく後退していた。 ボルテックスの手先だったゼッドは、ある日、支配体制に疑問を持ち、ボルテックスの正体を調べ始める。 やがて、神と思われていた彼らが、実はひ弱な科学者であったことが判明する……。未来世界を幻想的にな映像で描いたカルトSF。 ------------------------------------ この映画は、恐らく主演がショーン・コネリーというだけでDVD化されたのではないかと思います。 というのも、ご覧頂ければお解りと思いますが、とても難解な映画なのです(^^; 人の顔の形をした大きな岩が空中を飛び、それを神と崇める蛮人達のシーンから、この映画は始まります。 ただそれだけで、なんじゃこりゃ?と言いたくなるような、とても不可思議な映画です。 私がこの映画を見るきっかけとなったのは、私の知人が20年程前にこの映画を深夜TV放送で見た記憶がいまだ忘れられない、もう一度見てみたいと話してくれたことでした。 確かに、この奇妙な映像は、一度見れば目に焼き付いてしまうかもしれません(笑) 永遠の命を持ち、性欲も忘れ去ったエリート達だけが住む街、ボルテックスに蛮人ゼッドが現れたことにより、そこで数々のアクシデントが巻き起こります。 よーーーく注意して見ていなければ、とても理解できないストーリー展開で、見終わった頃にはどっと疲れが出てしまうほどでした(笑) 是非見て下さいと決してお勧めは致しませんが、暇と少々の小銭があれば、ご覧になってみて下さい。 この何とも言えないモヤモヤを、貴方も味わうことになるでしょう(笑) -------------------------------------------------------------------- この映画に関しては、もう少し語らなければならなりません。 DVD化されたことによる特典メニューの中に、恐らくつい最近録音されたであろう、監督ジョン・ブアマン氏の解説音声&字幕スーパーが存在します。 本編の音声&字幕は一切無視され、始まりから終わりまで、監督自らが解説を語っているのです。 正直、私は本編よりもこちらの方が面白かった!! この映画を制作するにあたって、いかにして貧乏撮影を乗り越えたかという事、あまりの財形難で、ショーン・コネリーへのギャラは監督の私費だったという事や、運転手への賃金が高いとショーン・コネリーに漏らすと、ショーンが自ら車を運転すると言ってくれたという話や、近代映画のようにCGは一切使わず全て実写であるということを、くどいくらい何度も語っているかと思うと、撮影の裏話や、映画には一切関係ない、そんな話ししなくてもいいじゃんと思えるどうでもいい話、自分が主演のショーン・コネリーといかに親しいかという軽く自慢が入った話まで、、、まるで年寄りが昔の武勇伝を語るかのような解説が延々と続く。 さらに、『この映画は、私の趣味で作った我が儘な作品です。』と、サラリと言ってのける(笑)。 更に爆笑をさらったのは、この監督、本当に自分が大好きなのだと実感させられたこと(笑)。 この映画のシンボルとも言える『飛行する巨大な人の顔』は、監督自身がモデルだったと言う。 さらに、映画の中でショーン・コネリーに撃ち殺される、農耕作業中の蛮人役として、自らも映画に出演しているということを、解説の中で「これは私です。」と2度も口にしたり、監督の娘さんも2人出演していて、「これは娘の○○です」と名前まで紹介してくれる。 挙げ句の果てに、映画の最後、ベートーベンの第7をバックに、主人公とその妻と子が歳を重ねて行き、最後には塵になるという様を固定カメラでとらえた素晴らしく格好いいラストシーンには、まさかあんな“落ち”が!? 最後の最後に、大爆笑でした。。。 今度は日本語吹き替え版と、直訳の字幕スーパーを見比べながら鑑賞してみよう。 さわりだけ見てみたが、とんでもない吹き替えが入っていて、こまれた笑いを誘う。 いや、この作品、決してコメディなんかじゃなく、大真面目な作品なんですよ?(笑) 多少マニア向けかもしれませんが、ハマる人はかなりハマると思います。 カルトの世界へ足を踏み入れてみたい方には、是非お勧めの一品です(^^
by at_the_blackhole
| 2005-06-27 19:05
| .Movie
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